さて、前回前々回に続いて、Maker Faire Tokyo 2018で私が”個人的に”気になった展示の紹介です。
(良い悪いという評価でもなければ意見でもないですからね!:参照<https://nuwton.com/feature/31826/>)
10.Startup Weekend Tokyo Maker
特別イベント「Startup Weekend Tokyo Maker」
金曜日の夜のチームビルディングから始まり、日曜の夕方の発表までの約2.5日間で、ビジネスモデルを含めてモノづくりをするという意欲的なイベントが”Startup Weekend”です。
過去に何度か参加(+運営)しましたが、非常に起業家育成に向けていい要素が詰まっており、個人的には「人間一度は参加すべきイベント」的な位置づけです。
今回はMaker Faire Tokyoの一部の場所を借りて、開催していました。
モノづくりの祭典でのStartup Weekendということでモノづくりに重きを置いている・・・かどうかはわかりませんが、時々お手伝いをしているブースまでヒアリングをしに来るチームがありました。
中には突拍子もないプロダクトを持ってきて
「これ使ってなにかビジネスできないですかね?」
と、苦笑いしたくなるヒアリングをしに来たチームも。
(本人知り合いなので、今度確認してみますw)
写真は日曜日夕方の最終ピッチの様子ですが、どんなプロダクトを開発したチームが優勝したのでしょうか。
時間なくてゆっくり見られませんでしたが、次回開催時は久々に参加者として楽しんでみたいですね。
単なるモノづくりではなく、事業として継続的にモノづくりやってみたい人は参加することを強くお勧めします。
11.ロケット!!!!!!!!
ブースF01-05「C-31J」
(http://makezine.jp/event/makers2018/m0363/)
「オネアミスの翼~王立宇宙軍~」という映画、知ってますか?
まぁ知らなくてもいいんですが、35年ぐらい前の映画なんです。今見ても最高なので一度見てみてください。
大事なことなのでもう一度。最高の映画です。
ということでロケットです。
いわゆるペンシルロケットの部類に入るのかな。ちょっとこういうミニチュアロケットの分類ってどうなるかよくわからないのでミニチュアロケットってことにしましょう。
非常にシンプルなロケットで、燃料は固体燃料を使用。
到達高度はなんと1000m!
燃料の流量制御は行っていないそうなので、平たく言えばロケット花火と同じになっちゃいますね。
(燃料の混合率とか、一気に燃焼して爆発しないように物理的に制御する仕組みとか、噴射する方向の制御とかもちろんスゴいノウハウてんこ盛りだと思いますよ!)
中央部分に一つ小型のサーボが見えるので姿勢制御でもしているのかな?と思ったら、パラシュート展開用のサーボだそうで。
最近はスペースXもブルーオリジンも再着陸・再利用を進めているので、同じ取り組みですね!
機体はノーズコーン部分、燃料格納部、および噴射部以外はC-FRPで構成されており、全体の重量は1.5kg程度とのこと。
デカさからは想像できない軽さ。
重量のほとんどは燃料格納部、噴射部分だそうです。
最近は日本でもホリエモンのMOMOが民間初のロケット打ち上げ成功を目指して試行錯誤を繰り返していますが、どんどんトライアル&エラーして宇宙へ一歩一歩近づいていければと思います。
うまいこと知見の共有ができればいいのにね。
オフィシャルサイトはこちら
(https://createrocket.jimdo.com/)
12.ロボット合奏団。
ブースG03-01「ロボットバンド++」
(http://makezine.jp/event/makers2018/m0048/)
やってることはそんなに高度ではないと思うんですが、展示としての完成度の高さがとても素敵なロボット合奏団。
今回のMaker Faire Tokyo全般で感じたことが、特に子供に向けて表現しようとしているブースがたくさんあったこと。
先日中京テレビで行われたハッカソンに長女(当時小5)を連れて行った時に娘が漏らした感想が・・・
「頭の中で考えたことをちゃんと形にするってスゴイ」
だったんですが、このイベントの展示全てがこうやって「0(ゼロ)」から作られているんですよね。
モノづくりを通じて子供たちに、今はなにもなくて(ゼロで)も、知識と技術を駆使すれば考えたことは具現化できるんだってこと、肌で感じてもらえているんじゃないかと思います。
この作品の出展者さんがそこまで考えてるかどうかはわかりませんが、少なくとも私はそう感じました。
仕上がりばっかり気にしてなかなかプロダクトアウトできない私はダメダメクリエイターですね・・・orz
動画見てください。メッチャ楽しいです!
13.ミニチュア超大型クレーンごっこ
ブースH16-10「~超大型クレーンを操縦しよう~」
(http://makezine.jp/event/makers2018/m0410/)
デカい!!
デカいが小さい!!!
どこからどう見ても超大型クレーンなんですが、メインのブームのトラスの径やワイヤーの径、ベース部分の大きさなどを考えると、実際の超大型クレーンのミニチュアスケールモデルであることがわかります。しかも完全稼働。
制御部分+後部カウンターウェイト。
すげぇ、カッコいい。
後ろからみた図。
美しすぎるだろ!この佇まい。
建設中の高層ビルで夕焼けを背景に佇む姿が想像できすぎる!!!
巻き上げワイヤーの滑車部分。
芸が細かいィィィィィィィ!!!
「こいつ・・・動くぞ!?」
なんと、実際のクレーンと同じ操作方法で操作できます。
モニターも実際のクレーンと同じ位置に取り付けられており、当ブログの写真撮影時は、お父さんにサポートされながら女の子が操作体験してました。これはスゴイ。
こういった可動ミニチュアって昔からあるにはあったのですが、高度な加工技術が必要だったり、制御の仕組みが簡単に作成できなかったり、なかなかハードルが高い工作でした。
しかし今は、安価な工作機械や、簡単に習得できる電子機器などが普及したこともあり、手軽にチャレンジできるようになりましたね。
いい世の中だ!
14.シャボン玉銃
ブース H15-07「オダイバスターズ」
(http://makezine.jp/event/makers2018/m0104/)
特筆すべきところはなさそうな、どこにでもあるシャボン玉を打ち出す銃・・・ いやいやこの展示のすごいところは、シャボン玉銃を徹底的に展示用に「仕上げて」ある所じゃないでしょうか。
銃身の横には発射のプロセスを表現するLEDディスプレイ(ハートマークっぽく見えるやつ)が配置され、モノとして全く関係ない出展者自身のコスチュームまで工夫されています。(出展社紹介見ると、ちゃんとコスチュームまで作品の一部として紹介されていました!失礼!)
こういう、全体的に”表現”する工夫、大好きです。
たとえば前出のミニチュアクレーンの場合、全員が作業着+黄色いヘルメット・・・とかだとさらに雰囲気出ると思いませんか?
15.自立歩行ロボット・・・?
ブース H12-09「古時計がよみがえる!- 機械式時計の精度アップ」
(http://makezine.jp/event/makers2018/m0153/)
消しゴム・・・どこが消しゴムや?
と思ったら、このロボットの足、電動消しゴムで作られてる!
しかも二本で直立できるように、ジャイロでモーター制御してる!!!!
すんげー地味(だけどやってることは超高度)な展示ですが、やっぱりやってることはぶっ飛んでる作品です。
村田製作所のムラタセイサク君(公式)とか昔すごいなーと思ったことありますが、フツーの人がこんなことするんですよ?
ただただ関心。
ちなみに、またしてもブースの主題と違うところにフォーカスしてます・・・出展者さんゴメンナサイ・・・orz
16.ただのLチカ・・・と思いきや
ブースH12-01「Make LSI」
(http://makezine.jp/event/makers2018/m0100/)
たかだかとガッツポーズを掲げるこちらの出展者サマ。
「~~~で、Lチカしてみた」と掲げられていたので、
最初通りかかったときは「MakerFaireでLチカかー、もうちょっと頑張ろうよ・・・」(大変失礼)
と思って2mほど普通に通過したんですが、通過しながらも展示のPOPをチラ見したんですね・・・したら
「~~~で、Lチカしてみた」の「~~~~」の部分の
「LED点滅用のLSIを作って」が目に入ったわけです。
LSIを作って!?
もちろん最近の14nmとかの極超高集積度LSIほどではないと思いますが、にしても、買うことが普通、製造するなんて想像すらできなかったものを作っているというのは本当にスゴイ。
実際に・・・
世の中にこういう製品が出回っている=どこかで誰かが設計して、製造している
ということなんですけどね、それをこうして展示で見せられると妙に納得です。
実際の展示。
さまざまなバリエーションがあります。
正直なところ、ここまでくると何がどうなっているのか全く分かりません。所属するサークル(?)では、この辺の情報共有なんかもされているようです。
まさに「ソレ」な自作LSI。スゴイ。
説明しようにも説明できない(情けない)ので、詳しくはご当人(サークル(?))のサイトでw
http://ifdl.jp/make_lsi/
展示の説明を聞きながら、実は知り合いの知り合いということがわかりましたw
世界は狭い!と驚くのとともに、こんなすごい人と割と近いところにいられることに感謝です。
ということで、すでに第3回ですが終わりそうな気配がありません。次回に続きます。