モノづくり大好きなみなさん、暑い暑いと怪訝な顔をして温度計を恨めしく観た夏が過ぎ去ろうとしている中、終わってしまうことにやや寂しさも感じているのではないでしょうか。
勝手ですねw
さて、そんな夏の終わりに、名古屋市が主催となっている名古屋ハッカソンに参加してまいりました。
こちら。
NAGOYA HACKATHON開催概要
http://jellyware.jp/nagoyaboost/hackathon.html
本イベントは、名古屋市が取り組む起業家育成プロセスの一環で、他にも様々な起業家支援イベントが開催されています。
起業を目指す方、事業化に向けた新しいアイデアを持っている方など、参考にしてみてはどうでしょうか。
NAGOYA BOOST 10000とは
http://jellyware.jp/nagoyaboost/
まずは結果から
ハッカソンなので作品に対する評価・審査があるのですが、結論から先に申し上げますと、見事優秀賞をいただくことができました。
嬉しい、わーい。(最優秀賞1点、優秀賞2点)
そういえば春先に開催された中京テレビのHack-Chuでも優秀賞をいただいたので、今年二つ目の優秀賞です!やった!
が、素直に喜べない理由も。
それは後述。
ちなみに当日名古屋市の大ボスも来てました。
テーマ
今回の名古屋ハッカソンは、「ヘルステックナゴヤ」が主テーマになっており、さらに協賛企業さんがメインテーマに沿った小テーマを出されていました。
各企業様の事業内容に沿って、独特の小テーマが展開されており、その小テーマを眺めているだけでも楽しかったです。
(中には少々強引な感じもありw)
今回参加時に、介護事業を営む水野さんとチーム参加することを決めていたので、個人的に選択したテーマも介護に関するもの。
・・・違うか。
小テーマは、事前に開催された事前説明会でいくつか発表されており、その際に目に留まった介護に関する小テーマで行こうかな…と介護に関するテーマがあったので水野さんをお誘いしたのでした。
巻き込んでゴメンナサイ。
アイデア
ということで、事前に小テーマが決まっていたので、アイデアは介護に関するものから考えよう!ということで、事前にいくつか挙げておいて、その中から・・・
課題の重要度
実現可能性
マネタイズの考えやすさ
ハッカソンでのプロトの実現性
SWの実装方法
審査員受け
ハッカソンだけではない、イベント全体でのテーマ性
など鑑みて、水野さんと数案は決めておきました。
あとは当日の空気など鑑みて、よさげなアイデアを選択する方向で当日に臨みました。
で、当日の流れの中で一つに絞ったのがコレ。
主に高齢者をターゲットとした服薬管理システムです。
高齢者のみならず、自分のようなサプリメント常用者や子供の服薬管理にも応用できますね。
幸い、参加者ウケも良かったので、介護系全般にピボットする可能性を残しつつ、これを軸に水野さんの案も交えつつチームビルディングすることにしました。
ちなみに、薬の発注からサービス化しているところで、一回の服用単位でパッキングしてくれるサービスというのは既にあります。(アメリカですけど。)
チーム
幸いにも参加者投票が多かったので事前に参加者の前で簡単なピッチをすることができ、チームビルディングはしやすい状況にありました。
エンジニアリングは主に私、テーマに沿った発表資料作成は水野さんを主体にするという方向でチームの機軸を決めました。
しかしながらこのチームの弱点は事前にいろいろと情報共有やディスカッションを進めていたこともあり、やや進め方に偏りがあることを感じていたため、意外な視点で新しい要素を提案してくれるチームメンバーが欲しいなと考えました。
テーマが介護ということもあり、介護に係る機会が多い属性が理想的・・・それって女性だよね?ということで、会場内で目についた女性に声をかけまくるという破廉恥なチームビルディングとなりました。
結果、このような素晴らしいメンバーに恵まれました。
いや、偶然の産物なんですが、ホントに素晴らしいバランス。
最高のチームメンバー!
プレゼンテーションチーム
資料作成/統括・・・水野さん
起案/調査・・・渡辺さん
起案/調査・・・吉崎さん
エンジニアチーム
サーバサイド/基盤・・・入口さん
クライアントサイド・・・諏訪さん
ハードウェア製作・・・榊原(私)
綺麗に担当を分けることができ、またそれぞれ技術やノウハウのバランスも良く、最初に大まかに方向性を共有し、役割分担をしたらあとは勝手に作業が進んでいきました!
素晴らしい!
モノづくりの経過
エンジニアチームの大黒柱二人
大方作るものと構成は考えていたので、エンジニアリングチーム内での役割分担もうまくいき、前述のように
サーバサイド/基盤・・・入口さん
クライアントサイド・・・諏訪さん
ハードウェア製作・・・榊原(私)
な割り振りにしました。
HWは例によってSeeed社のWio nodeとサーボの組み合わせで薬剤排出部分の制御を行いますので、サーバ側からはWioのAPIを呼ぶだけです。
参考までに過去のエントリーを紹介
Wio node + Azure Logic Appsでお手軽IoT【Wio node初期設定編】
【PC & Gadget】WIO NODE + AZURE LOGIC APPSでお手軽IOT【データ取得編】
自分だけなら、UIをPowerAppsで、基本処理をFlowでサラっと作るところでしたが、各メンバーの得意な分野での実装に任せる方向にしました。幸い実装技術もうまく分かれていたし!
プロト版の目標は
3回程度、実際に薬剤排出するデモができること
オマケ機能は、基本ができたら
に絞りました。
発表時間も限られるため、HWを使ったデモはあまり重要視せず実現可能性を示すだけに留めることとしました。
無理してもショーがないし。
薬剤排出の仕組みは、箱を多数用意してふたを開閉する方式を最初思いついたのですが、蓋の数だけ動力が必要になるため、デモ向けのプロトにしてもやや製作が面倒+100均で売っているピルケースと見た目が似通うためUI/UX的に新しさが無いということで、観覧車のゴンドラに薬剤を載せて、観覧車を一定角度回してゴンドラの薬剤を輩出するという仕組みをとりました。
この方式だと、デモ用プロトの範囲だけなら、サーボ一個で動作させられます。(プロト版は観覧車の軸にサーボの軸を直結したので、最大160度しか回らないというデモ限定仕様)
本来はちゃんとステッピングモータなどでやるべきですね。
サーボの動作異常が見られたので、電源取り直すために小加工。
初日にWio nodeとサーボは持ち込んでいたので、エンジニアチームに簡単な動作デモを見せてAPIを紹介したら、あとは入口さんと諏訪さんにUI~制御周りの実装はお任せしてしまいました。
すぐに近所のイオンに実際のハード部分の資材調達に!
全部100均で揃えました。
紙皿にマヨカップ、フォトスタンドにPPシート、ゼムクリップに押しピンと、まさに誰でも手に入る資材です。
製作の過程はめんどいので割愛して、実際にはこんなものが出来 上がりました。
正面。
背面。
中身の排出機構。紙皿とマヨカップ、ゼムクリップとフォトスタンド!
中身の観覧車はそこそこに、外装にちょっとこだわってます。
ただ、外装の接着のためのタブがあまりにもみっともない・・・別のうまい接合方法も考え付いたんですが、考え付いたのが外装5割できてからだったのでそのまま進めることに・・・残念。
実際にサーボ接続して、カップに薬剤投入しての初動。
(事務所で徹夜製作して動作テストはしていたんですけどね)
ああああ薬がwww
排出というより拡散になってるwww
原因を確認すると、サーボが想定仕様通り動いてない疑い。
Seeedさん!ということでSeeed社の松岡さんにHELPをお願いしたところ、どうやらサーボ制御用のライブラリにバグがあった模様で、ソッコー対応いただきました。松岡さん超感謝!
で、バグ修正の間に外装が整ってきたので外装付けた状態で再度テスト。
VIDEO
この動作を目指していたので仕様通りと言えば仕様通りなんですが、割とギリギリで調整していたので、思わず声が出ましたw
なにやら怪しいドーピングアイテムが並ぶエンジニアチームの一コマ。
この時点でかなり時間が迫っていたので、製作はここまでとし、実際のデモは行わずプレゼンの中で動画を紹介する方向に。
本番でモタつくより、その方が確実ですね。
満足はいきませんが、最低限目指すところまでは動作したのでほっとしました。
エンジニアチームの入口さん諏訪さんありがとう!
最高のチームだ!!
(HWに係りすぎて彼らいなかったらホント動いてなかったカモ。)
プレゼンテーション
もう一つの大事な要素、プレゼンテーションは、水野さんをはじめとしたプレゼンテーションチームが最初の目標設定とポイントの共有だけでモリモリ進めてくれました。
時々方向性や数字の確認をされた程度でスバラシイ資料が出来上がってる!
いつもはどっちかというとそっちの役割の方が多かったりするので、チョッピリ寂しくも、とても新鮮でした。勉強させてもらうポイント多かったし。
社会課題の提示の仕方や、裏付けとなる数字の調査や表現、また解決策の提示の仕方も素晴らしかったし、発表時間を上回るチームが多い中、キッチリ時間内に収める構成力、なにをとってもうまくまとまっていて、最高でした!
プレゼンテーションチームの水野さん、渡辺さん、吉崎さん、お前ら最高だよ!!!!!
感謝
今回は私のアイデアベースにハッカソンが進んでいったのですが、HWに必死になりすぎて本当に要所要所しか全体を見てませんでした。
そんな中・・・
資料を作成しながらプレゼンテーションチームを引っ張ってくれた水野さん
水野さんのサポートをしながらいろんな調査をしつつ、助言をしてくれつついいムードメイカーにもなってくれた渡辺さん
プレゼンテーションチームが忙しく資料作成する中、年長者二人が手の届かないところにうまくサポートとして入っていただいた吉崎さん
エンジニアチームのクライアントサイド担当として、最低限の指示しかしてないにもかかわらず自力で頑張って実装してくれた諏訪さん
エンジニアチームのサーバーサイド担当として、(いいかげんで)抽象的な指示を的確に咀嚼して実装してくれた入口さん
サーボ制御ライブラリのバグを速攻調査してくれた上に修正してくれたSeeedの松岡さん
皆さんがいてくれたからモノができました!
そして見事優秀賞!本当にありがとうございます!
それからこんな面白いハッカソンを企画・運営していただいた開催側の皆様、お疲れさまでした&ありがとうございました。
素直に喜べないところ・・・
最後に、冒頭でちょっと触れた素直に喜べないところ。
上述した、アイデア出しただけで、あとは夏休みの工作レベルのハード作成に必死になってしまっていたところですね・・・
情けない。
Hack-Chuも同じく、インフルエンザとはいえチームメンバーに頼りっきりで実現した優秀賞・・・私の価値って・・・orz
ハッカソンは楽しいぞ!
出るからにはなんらかの賞をもらいたいところですが、ハッカソンって結果はもちろんのこと、そのプロセスから学ぶことがとても多い、貴重なイベントだと思います。
みなさんも、周りでハッカソンが開催されていたらぜひ参加してみて下さい。
エンジニア寄りのイベントに見えますが、エンジニアリングにしか目が向かないわがままで一辺倒なエンジニアをうまく誘導するデザイナーやプランナーの存在もとても重要です。