急にエンジンがかからなくなった車の修理顛末です。
前回からの続き!
セルユニットを応急修理する
ということでセルを修理してみましょう。
部品もないのでこれも応急処置です。
方針は以下の二つ
- セルユニットの分解と洗浄
- 明らかな異常があれば修繕
メンテの基本は分解と清掃・洗浄です。接点不良やちょっとした動作不良なんてこれで大概直ります。
そのうえで明らかな異常が見受けられれば、交換部品が届くまでの応急修理を施します。
では分解分解分解!!!
セルの位置はエンジンルームの奥深く、バッテリーやエアクリーナーの下にあります。
まぁまだ見えるだけましですね。
まず作業に邪魔なバッテリーを取り外します。
続いてエアクリーナーボックスを取り外します。
いろんなセンサーのカプラーがついているので気を付けます。
なんとエアクリの蓋にエアフロセンサがついていました。
エアクリ交換するとき気を付けないと・・・
エアクリを外すと俄然セルモータにアクセスしやすくなります。
12mmのナットで+のケーブルが、またカプラがついているので取り外します。
配線を切ったらあとは本体を外すだけ。
セルユニットは2か所14mmのボルトで固定されているので、2本を外します。それほど窮屈ではないですね。
手前側。
セルの奥側。アースと共締め。
外れました。
上がマグネットスイッチ。
マグネットスイッチも分解清掃するので、外します。2本の+ネジで止まってます。ナメると悲惨なので、慎重に外しましょう。
ネジが無事外れたら適当にバラして掃除します。
特に動きに渋さはなく、おそらくこちらは関係なさそう。
本命のセルモーターも簡単にバラすことができます。
エンジンと反対側にある8mmのボルトを外します。
簡単にばらせます。
左からケース、ローターとブラシ、ギアユニット。
ケース内もブラシのカスでいっぱいです。
エアブローで掃除。
コンプレッサーなどがない場合はガス式で。
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ローターもブラシカスでいっぱい。
まずはエアブローします。
ローターをブラシ側ケースから外すには、このスナップリングを外さなくてはいけません。
ゴムキャップの裏に隠れているので外します。
手持ちのスナップリングプライヤーより小型のフックだったので、ちょっとやすりでスナップリングプライヤーを削りました。
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で、ローターをブラシと分離。
左側のケースについている変形した四角の四つの部品がブラシ。程よく汚れています。
って、ええええええええええええええええ!?
マイナス側のブラシほとんどないやん・・・
プラス側のブラシに比較して、約5㎜ほど短くなっています。片側は特に損耗が大きく、ローターに当ててみると全く当たっていません。0.5mm程度は隙間がある感じです。
シックネスゲージが通りますw
こりゃかからんわ。
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自動車に限らず電力供給のための接点や配線の太さ(面積)というのはとても大切で、その電力供給能力は断面積の大きさに比例します。
接点が小さくなればなるほど流れる電流の量が少なくなり、持てるポテンシャルを発揮できなくなります。
今回の場合、まず片側の接点は死んでいるのでもう一方だけで電力供給を担っていた状態で、かつブラシの摩耗により接触面積が減ったことで、今朝方モッサリとしたセルの動きになったのでしょう。(そもそも片側はバックアップかも)
ということは、修繕してやればまたキビキビとした動きになるはずです。
ということでバラします。
ブラシユニットを外します。
ブラシとケース、ブラシをローターに押し付けるばねで構成されています。
残念ながらブラシそのものは極限まで損耗しており、ワイヤーが引っかかってこれ以上どう頑張ってもローター側には出てこない状態です。
ケースとブラシの関係はこんな感じ。これはプラス側。
そのため、ブラシケースを加工しつつ、ブラシケースそのものを底上げしてやることでローターにおしつけてやります。
ケースの加工のためにブラシユニットもばらします。
こんな状態。
なので加工して・・・
ブラシケース自体を底上げして、ローターに押し当てます。
ブラシケースが動く分、ブラシケースそのものがローターの接点(コミュテータ)にあたるとまずいので、ブラシケースの上部をグラインダーで削ります。
ということで加工が終わったブラシ。
わずか1mmの底上げですが、これで半年は持つでしょう。
どのみちすぐに新品のブラシに交換するので十二分です。
ローターをくみつけます。
しっかりと密着しているのが分かります。
ブラシの接触面とコミュテータの接触面を軽く研磨して、接点の状態も改善させたのでなおよいと思います。
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紹介しておいてなんですが、ケミカル系は避けた方がいいかも。
今回はスコッチブライトで接点を磨いてます。
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あとは逆の手順で組み立てるだけ。
さて緊張のエンジン始動です!
ご参考までに
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