さて、先日はエアコンのトラブル対処法(単なる適正な仕様説明)を紹介しましたが、その後も暑さは続き、たしかに冷えるようになったとはいえなんだか満足いく冷たさではありません。
いわゆるミニバンで、車室内が広いためにエアコンが効きにくい・・・なわけないでしょ。ふつうは車室内の容積に合わせてエアコンの能力設計するし。
とはいえ、小さい軽だから小さいエアコンというほど能力に合わせた設計+製造の幅も広くない(小さいほど能力に対するコストが上がる)ので、デカい車はある程度は冷えにくいというのはありますが。
まずは状態の確認
さて御託はいいとして、感覚的に冷えないのは気になるので、実際エアコンの状態がどうなのかを確認してみます。
が、一般の家庭でにカーエアコンの点検といってもやれることは限られていて・・・
- コンプレッサを動かしているベルトの張りの点検・・・コンプレッサの動作不良
- サイトグラスからの気泡の点検・・・ガスの残量チェック
ぐらいのものしょう。
ということでベルトの点検をするも、有意なゆるみは無し。
エンジンをかけ、エアコンを最大風量にセットしてしばし待ち、サイトグラスを確認すると・・・
こりゃアカン。
どの程度アカンのか定量的にはサイトグラスの点検程度ではわかりませんが、良くない状態であることぐらいはわかります。
サイトグラスの中の液化したガスが、白く濁ってボコボコしている状態です。
セオリー通りにやるのであれば、まずは重篤なガス漏れを起こしていないか機器・配管類をリークチェックした後、ガスの充填圧を正確に計測してそれからガス補充となるんですが、もう年寄りだし(金も時間もできればかけたくない)、いきなり一気にエアコン効かなくなったわけではないので重篤な故障は考えにくいし、近所のガススタ行っても同じプロセスだしOKでしょ。
ということで、いきなりガスの補充行ってみたいと思います。(お金と時間ある、高年式のお車の方はディーラーへご相談を!)
エアコンガス補充に必要なもの
必要なものは・・・
- ガス(HFC134a:年式によって異なるので要チェック)
- チャージホース(AmazonでGet)
以上。
オマケとして、やる気とか勇気とかブログエントリーのための計測装置とかカメラとかでしょうか。
参考までに、以下のリンクから購入できます。
ガスの入れ替え手順の確認
そんなに難しくはありませんが、段取り8割。
ちゃんと手順を確認して、道具や作業を管理しましょう。
- 安定した作業しやすい場所に車を停める
- 低圧側のエアコンガスメンテナンスポートの位置を確認する
- チャージホースのガス缶側のニードルが出ていないか確認する
- チャージホースにガス缶を接続する
- チャージホースを低圧側のポートに接続する
- チャージホース内の空気をパージする
- エンジンをかけ、エアコンを全開にする
- チャージホースのニードルを回してガス缶を開栓する
- ニードルを戻してガスを徐々に注入する
- プレッシャーゲージ、サイトグラスの様子を確認して、適量注入する
- 良い具合になったらエンジンを停止する
- チャージホースのニードルを回してガス管を塞ぐ
- チャージホースを低圧側サービスポートから外す
- 試運転し、異常がないか確認する
場所の確保と作業個所の確認
どんな整備作業も作業場所は屋内の平坦な舗装された場所が望ましいですが、なかなかそういう場所が無いのも事実。
適度に適切な場所を確保しましょう。
今回の作業の要であるエアコンガスのサービスポートですが、車種によってまちまちなため我が家(AZR60G ノア)の場合を紹介します。
車両向かって右側、バッテリー搭載位置の下にあります。
キャップには「L」の刻印があります。
また一般的な車両の場合、ガスは以下のような流路で流れていますので、コンプレッサーか、室内から出ているアルミの配管をたどっていくと探せるかと思います。
- コンプレッサーで圧縮(低圧→高圧)
- コンデンサーで冷却(高圧)
- エバポレータで使用(高圧→低圧)
- 低圧用サービスポートを通過(低圧)
- 1に戻る
実際のエアコンガス補充の作業
実際の作業は動画で見てみましょう。
動画は補充するところまでで終わっていますが、この後
- 良い具合になったらエンジンを停止する
- チャージホースのニードルを回してガス管を塞ぐ
- チャージホースを低圧側サービスポートから外す
という終了プロセスを行っています。
ゲージで見る限り割と適正でしたが、サイトグラスの確認と併用すると200g一本丸ごと入った状態です。
さて、実際に冷えるようになったか確認してみましょう!
効果測定
ガスの補充を行い、作業の完了後の点検を行い、さて試運転!
エアコン全開にしてしばし様子を見てみます!
- エアコン吹き出し口からの温度・・・冷たくなった気がする!
- 車室内の温度・・・涼しくなった気がする!!
どっちも感覚かーいw
これではIT屋の名折れになってしまうので、ちゃんと効果測定をしてみたいと思います。
こんなこともあろうかと、充填前にちゃんと温度計測しておきました!
車室内温度に・・・
吹き出し口温度・・・
ってアナログかーい!
これでは本当にIT屋の名折れになってしまうので、ちゃんと図りたいと思います。
今回はこちら。
Seeed社のWio nodeを使って、IoT的な感じで解決したいと思います。
Seeed社のWio nodeについてのエントリー記事はこちらから。
また、温度計測のためのデータ格納場所のセットアップなどはこちらを参考にしてください。
で、取れたデータがこちら。
ちゃんと事前に準備して、施術前、施術後を取得していますよ!
データは10秒ごとに、数値が安定するまで10分~20分計測しています。
まずは車室内の温度変化から。
作業開始が午後14時と、温度のピークであるところを考慮し、さらに開始条件の均一化の不手際で施術前の温度データの初期段階にやや温度が下がりにくくなっている部分がありますが、それにしても測定開始時0.5度ほどの差が、10分後には2度ほどの差になっています。
十分に効果はあったとみてよいでしょう。
ただ残念ながら、日差しが差し込む社内での2度って結構気休めレベルかも・・・
では実際に、車室内を冷やしているエアコン送風口の温度はどうでしょうか。
施術前の最低温度が約12度、施術後の温度が約10度。
これまた開始時の条件がそろっていませんが、グラフを見れば効果は”一見”一目瞭然です。
厳密な話をするとやはり前提条件の違いにより、個人的にはちょっと納得できない結果なんですよね・・・。
もうちょっときちんとデータ取りすれば、自分をもっと納得させられたんですが、うーん・・・。
とはいえ結果オーライということで、今回は終了したいと思います。